所長、坂東がプロジェクト活動を進めるにあたって心がけていることや、どうやって現状把握をしているのについて語ります。
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坂東:取引先であった話をシェアしたいと思います。先週取引先でミーティングをやったんですけど、終わった後に取締役の人からすごいビックリしたと言われたんです。ミーティングの雰囲気がいい意味で変わったのよ。すごくぶっちゃけた感じのいいディスカッションができてそこに入ってるメンバー7人くらいでやったんですけど、社員の人たちから色んなぶっちゃけ話が出てきて「あの人仕事してないからなぁ」とか、「会社こんな感じなんですよ。」とかそういう飲み会で出てくるような感じの話。飲み会だとそういうのするじゃないですか。そんな話がたくさん出てきたんですよ。10月から始まったプロジェクトなんだけど、今まではそういうことはなくて、けっこうちゃんとした感じだったんだけどだいぶいい感じでほぐれてきて終わった後に取締役の人と話をしてたら坂東さんの言っていた意味がやっとわかりましたみたいに言われた。
そのプロジェクトが始まる時に僕が最初に社員にヒヤリングをやってくれてって言われたんですよ。社内の現状がどうなってるのかとか、どういうことを課題として社員が感じているかどうかをヒヤリングして欲しいっていう風に。
小野:それは社長に、ではなくて社員に坂東さんが聞くということですか?
坂東:社長から言われた。社員にヒヤリングして欲しいと。プロジェクトが始まるときに言われたんだけど、そのときはお断りしたんですよね。ヒヤリングしてもあまり意味がないと思うと。きっと本音は出てこない。会ったこともない僕みたいな人がいって、ちょっと課題を教えてもらえますか?みたいな言っても話すのかなって。僕は話さないと思ったので、改まって会社の問題とか課題とかって言われてもそれがどう広まるか分からないし、僕に対する信頼関係もないし、会社から依頼を受けてきてるんだろうから。会社の上層部に広がったらまずいとかも考えるじゃないですか。
小野:社員の方が坂東さんに〜さんこんな風に言ってましたよって報告されそうだと思うからですか?
坂東:そう。あの人とあの人がこうだっていう話を聞きましたよとか言われるでしょ。言われても嫌だし。ということになるので、ヒヤリングしても意味がないからプロジェクト進める中で関係性が出てきてきたらその中で必要な情報収集はできると思うので最初はやるのは時間が勿体ないと思うっていう話をしたんですけども、その時の話がやっと意味が分かったって言ってた。本当そうなりましたね、って。
小野:何回目くらいですか?
坂東:5回目くらいかな。それがすごくいい感じになってきたなと思ったし。
小野:ミーティングの雰囲気もすごくいい感じだったんですかね?
坂東:そうそう、変わったんですよね。今までは受け身でミーティング入ってくるときもお世話になってます、みたいな感じで入ってきたりして。そんな感じでざっくばらんなディスカッションできないでしょ。これから会社の中での問題解決をしていこうっていうテーマと、それからもう1つ周年行事を何かやっていこうということを話し合うようなことをしてた。新しいことをやっていこうとかいうときに、堅苦しい感じよりは言いたいことを言えた方がいいじゃないですか。っていうことで、そういう場づくりは心がけてきたつもりなんだけど、大分それがいい感じでゴロっと変わってきたのが僕もすごく嬉しかったんですよ。
小野:なんで社員の人はそんな風に言えるようになってきたんですかね?
坂東:何でだろうね。
小野:何でだろう。それが大きいですよね、やっぱり。社長に遠慮してとか、やりたくないけど社長がこう言ってるからやらないといけないっていう気持ちで参加してると受け身になりますよね。信頼関係ができたってこと?言っても大丈夫っていう。
坂東:このミーティングでは言っても大丈夫、みたいに思ってきたと思うんですよ。会社はけっこうかたい会社なので、上下関係もしっかりしてるし。
小野:昭和な感じですか?
坂東:そうね。
小野:掃除は一番下っ端がみたいな。
坂東:そういうビシバシ系ではないんだけど、役所みたいな感じ?決まり事がかちっとしてる。
小野:ちょっと先輩に気を遣ってるな、みたいな。
坂東:そう。なかなか思い切って一般の社員の人が意見を言ったり、意見を言っても変わらない体質になっていると。なので言ってもしょうがないよね、みたいな感じになっている中で、社長はそのプロジェクトには入っていないんだけど、意見を言わない環境ができてるっていうか。ミーティングも普段はシーンとしてるんだって。報告する人だけがずっと喋ってるという感じなんだけど、あれ?ここはちょっと違うのかな、みたいな。
小野:すごい。坂東さんの意義が出てきましたね。
坂東:そうそう。まぁ、そのために入らせてもらってるんだけど、そういうのって会社の社内でやるのって無理なんだよね。社外の人で場づくりができる人が入るっていうことが大事だと思うんですよ。社外だからこそできることっていうのがあると思うんですよね。すごくきちっとした会社なので業務はみなさんきちっとやるんだけど、コミュニケーションを普段業務以外であまりとってなかったり、仕事も役割分担できてるからミーティングもほとんどないらしくて、今コロナ下になって余計に時差出勤したり、自宅で仕事したりすることも増えてきたりすると、今まで朝礼やってたのがなくなったりとかいうことも重なって関係性づくりっていうのがなかなかできていない。そうなると相手がどういう人か分からないと喋りにくいじゃん。それをこのプロジェクトのミーティングの中ではお互いのことがよく分かるとか、ぶっちゃけたことを言っても大丈夫なんだという空気を少しずつつくってきた。そのプロジェクトミーティングの内容について自分のチームの中で報告するのにもめちゃくちゃ気を遣う。こういうことプロジェクトやってるんですよっていうことを言いづらいんだって。
小野:引かれるってことですか?面倒臭いって思われたり?
坂東:何でそんなこと、私に関係ないしじゃないみたいな。そもそもそんな機会もないし、言ったらどんな風に言われるか気になるし。というくらいきちっとしてる。そこに風穴を開けようとしてる。
小野:嬉しいですね。そんな風に。体で気づいてくれた感じじゃないですか。
坂東:そうだね。体感してくれてね。そこが核になって少しずつ会社全体の関係性構築につながっていったり、1人1人はすごくいい人だったり真面目だったり、会社自体もすごく素晴らしい価値を持ったサービスをしてる会社なんだけど、固くなっちゃってる。今までの名残で。それを少しずつほぐしてるっていう感じなんだよね。
小野:いいですね、何か。やっぱ言いたいことは溜めないでいった方がいいじゃないですか。そういう場があるってだけでもたぶん働いている人も働きやすくなるし、やりがいも見つけられたり。これからの仕事の感じも変わってきそうですよね。
坂東:そうなってくると僕も楽しくなってくるし。
小野:こんな会社が増えるといいですね。
坂東:そうよね。やさしい組織が増えるっていうところのまさしく現場にいることができたみたいな実感が湧いて良かったです。
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