■ 手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また自社でも実証実験を重ねており、その様子をYouTubeやコラムでお届けしています。 また、組織をアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
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坂東:フィジーがすごく女性が活躍していると、日本は女性の社会進出が世界的にも遅れていると言われていますけど、僕の観点でいうと色んな理由はあるにせよ、組織の構造っていうのも男性向けの組織の形になっているなということを思うんですけど、フィジーではどんな感じなのでしょうか?
永崎さん:そうですね。フィジーあまり参考にならないかもですね。要するに男性が働かないんですよね。男性が機能しないので相対的に女性が働く。
乾:男性が機能しないってすごいですね。
坂東:色んな意味に取られそうですけどね。
女性:沖縄とかでもそういう話よく聞きますよね。あたたかい地域とか、そうなるんですかね。暖かくなると。
永崎さん:フィジーは女性の管理職の割合が5割を超えていて世界4位とかそういうレベルだったりするんですけど、その内情はそういうことだなという風に思ってます。逆に日本に適用するのであれば、やっぱり日本は男性が働きすぎて、例えば男女の幸福度なんかも日本が世界で一番格差がある。女性の幸福度の方が男性よりはるかに高い国が日本。やっぱり男性が働きすぎて武士道ですから、文句も言わず辛さに耐えているみたいな、そういう構図がすごくあるから、男性側をもう少し優しく取り囲んであげるようなものがあると、相対的に女性が出てくるのかなという風にも思ったりしますかね。
乾:なるほど。
永崎さん:僕自身も、この前坂東さんがされてた3人でバーで話されている動画観ましたけど、女性型社会っていうんですかね、そういう方向にシフトをしていくんだろうなぁという風に思っている派で、今育休のコミュニティに入っているんですね。160人ママたちがいるコミュニティなんですけど、男が2人だけいるんですね。パパも一応入れるということで入ってるんです。女性型の社会って刺激的というか、オンラインサロンとかも色々入ってるんですけど、男性の社会観って有能性を証明しようみたいな、そういうのが結構邪魔して、それとはまた違ったものがあるなぁっていう風によく感じますね。達成とかよりもプロセスの方を大切にして、助け合うみたいなものがものすごくチャットやメッセンジャー上でそういうものが起きてるというのが、より優しく包まれてる感じがするなと思ったりするので、ちょっと女性中心の社会っていうのを今は興味を持って注目しているところはあります。
坂東:なるほどね。
女性:面白い。
乾:面白いですね。それが男性を優しくと女性中心の社会になるっていうのが切り口として新しいですよね。
女性:改めて、女子で集まろうって思っちゃった、今。何か楽かもって思った。その方が。でも、プロセスのところはちょっと違う気がしていて、今の話を聞いて、女性ってプロセスそこまで重視しない気がする、逆に。何気にここ!みたいなポイントを決めて動く方が上手だと思う。男性の方がプロセス見て欲しい承認欲求めっちゃ感じるけどね。
坂東:これだけやりましたよ、みたいな。
女性:途中見てないから分からないんです、みたいな。女性の経営者色々出てきてるけれども、結構達成することがすごく明確だから、そこに明確さがあると思ったかな。
永崎さん:前動画で言われてた男性中心の社会の中で活躍している女性っていうのは、その女性が持っている男性性っていうのをマキシマイズする形で全面に出せる人が活躍してる、社会のプラットフォーム自体を女性性がもっと有利に働くようなそういう社会観であればまた別のその人たちがもしかしたら無理して男性性を強く出してるところじゃない部分が見えてくるんじゃないかなって、そういう話がありましたよね。それすごく僕は納得したというか、あぁ、難しいフィールドで戦わせてしまっているのかもしれないなんてことを思ったりしましたね。
坂東:今の社会で女性で活躍している経営者とかは、男性っぽいっていうかですね。男性的な社会を生き抜いて勝ち残ってこれたタフな人がなっているケースが多いなぁと思って、だから、そうじゃない今言われたような、女性性を活かしたリーダーシップってどういう風にあるといいのかなぁとかっていうのを思ってたんですよね。
永崎さん:それこそ、ホフステードの6次元モデルっていうのがあって、色んな国の文化っていうものを6個の側面で切り取って比較していくっていう、そういうツールがあるんですけど、日本って6つの指標の中で世界の中で極端に特殊性があるっていうのをそこで理解することができたんですけど、印象的なのはまさに男性性と女性性っていうのが1つの次元のモデルとしてあるんですね。で、日本は世界の中でも男性性が強い国、男性性っていうのは達成したいっていう、そっちの極めて極めてみたいな。そういう道ですね。茶道なり、何なり。道を極めていくっていうそういうものがある。逆に女性性が強い国っていうのは北欧のデンマークとかフィンランドとか、そういう国々で、競争じゃなくて協力しあってやっていく。そういうことに喜びを見出していくような、その日本とデンマークみたいなものがまさに真逆に位置づけられている。日本の男性が男性性が強いという話ではなくて、女性もひっくるめた上で日本は極端に世界の中で男性性が強い国。その6次元モデルって非常に面白い、日本の特殊性がここでクリアーになるというか、あと他の5次元っていうのはどういうものがあるかっていうと、例えば長期思考と短期思考。日本は長期思考っていうのも極端に強い。あとはもっと強いのがリスク回避思考が世界トップクラス。長期的に物事を考え、男性性が強く何かを極めていきたいのと、リスクを回避したい。この3つを掛け合わせると、単独でダントツで抜けちゃう国になる。そこに我々の文化性があるというのはすごく見てて納得感があるというか。そんな風に思いました。男性性、女性性っていうのはものすごくこれからキーワードになっていくんじゃないかなって思います。
坂東:なるほど。何か、全然呂律しっかりしてますね。笑。もっとゆるい話になるかと思ったら、ピシャッとしてるから素晴らしいなと思いました。
永崎さん:頑張ってます、今。めっちゃ頑張って、冷静にしゃべろうとしています。笑。
坂東:フィジーらしからぬ、頑張る男ですね。ちなみに何でフィジーにいるんでしたっけ?
永崎さん:僕は旅が好きで100ヵ国回りました。で、一番幸せそうだったんですよね。僕がフィジーに引っ越してきた時っていうのは別に幸福度ランキングでフィジーが上みたいなデータもなくて、フィジーみたいな国ってあまり調査対象に入らないんですよね。だから、ベールに包まれた国だったんですけど、僕が引っ越してきて4年経った時にたまたま調査対象国に入って、1位取っちゃって、この人たちダントツで幸せそうだなっていう感覚がまさにデータとして出てきた時はすごく嬉しかったですね。本当に幸せそうだな、その根源ってどこにあるんだろう?って色々考えて、さっき乾さんが紹介してくれた、本でまとめたりとか、そこでは書いてなかったんですが、4つの習慣ってそこで書きました。フィジー人が持っている幸せの4つの習慣。でも、そのベースにあるのって僕は時間だっていう風に今のところは思ってます。要するに時間がすごくあるんですね。だから日本人だと何でもかんでもみんな忙しい、今時間がないねって言いますけど、フィジーで忙しい、時間ないねって言ってる人ってなかなかあったことがない。彼らに言わせると、日の出から日の入りまでめちゃくちゃ時間あるのに何が時間がないんやって言われてしまうような。でも、真実そうだよなぁって思います。本当に日の出から日の入りまでじーっとしてるとめちゃくちゃ膨大な時間がある。我々が時間がないっていうのがおかしいんじゃないかなってそっちのフィジー人側のスタンスに今立つようになってますね。そこが決定的な違いとして僕はあるんじゃないかなと思ってます。
乾:時間守らないって書かれてるじゃないですか。
永崎さん:そうですね。何かサグラダファミリアつくったそとおれつろうさんの言葉で好きなのがあって、時間は神が作ったけど、時計は悪魔が作ったっていう、我々ってすごく時間はあるんだけど、めちゃくちゃ時計にコントロールされてしまってるっていうか、そこで本当はあるはずのみんな共通にベーシックインカムのように配布されている24時間が少なく感じているというのはすごく課題なんじゃないかなと思ったりしますね。
乾:時間がルーズな中での組織ってどんな風に実際はなってるんですか。
永崎さん:組織は難しいなと思ってます。僕の場合は英語学校の校長をやっていてお客さんが日本人留学生なんで、なかなか日本人留学生に対して遅刻する先生たちがいるじゃないですか。そこを最初はクレームになってたんですよね。授業料返せってなりますよね。授業が行われないですから。でも、そこも含めて学びじゃないですか。そっちに切り替えないと難しいなって思います。授業に遅れてくるんだよ先生が、すごいよね、みたいな。そこが価値なんだっていう風なある意味洗脳しないと難しい。なかなか仕事をやるには難しいところはあるなと思います。ただ、プライベートと公私混同するのがフィジー人で、そこらへんがティール的かなと思ってます。そこで結局、先生たちは生徒から愛されます。遅刻しようが先生が生徒にお金貸してって言うんですけど、それは日本ではアウトなんですけど、フィジーではそれによって先生と生徒の絆が強まっていくというのが多々あるんですよね。そういう無責任であり、適当である部分っていうのが意外とウケるなっていうのが10何年やった上での経験かなと思います。
乾:フランスも面白いですよね。夜暗いという話なんですか?
女性:お昼休みが2時間あるんですね。小中高大、社会人も。午前中が大体仕事の時間で、午後が社交の時間で、夜も社交の時間って感じです。◯日の夜ね、って言われて何時かはわからない。例えば19時ねって言われてもその時間にいっちゃだめなんですね。よく言われるのが日本人は5分前で、ドイツ人はぴったりにきてフランス人は三十分後にくると言うのはよく言われます。ぴったりいくと用意してないから迷惑がられるっていう。
乾:19時だったら19時半にいくのが当然なんですね。フィジーだったらどうなんですか?
永崎さん:同じような感じです。日本と海外の比較ってどの国と比較しても近しいものになるんですよね。日本人からすればデンマーク人、フランス人、フィジー人は適当という言葉でとじられるんで、それはさっき言った日本があまりにも特殊なポジショニングを取ってるがゆえに他の国との比較がめっちゃ粗くなっちゃうんですね。だから第三国同士を比較していかないと議論が深まらないというのはすごく感じていますね。
乾:なるほど。日本を議論の対象に入れちゃうとおかしくなるんですね。
永崎さん:日本人は海外は、っていう表現をしますけど、それは正しくて、本当はどこの国も個性があって違うんだけど、日本から比較すると同じように見えるっていうくらい我々は特殊な空間で生きている。
乾:狭い島国で生きてたんですね。
坂東:フランスはけっこう女性が世界進出しているイメージがあるんですけど?
女性:そうですね。共働き率は高いですね。基本みんなは仕事をフルでしているんですけど、ただこっちは労働時間が基本みんな17時、18時では終わるので残業という概念がないので、学校もそれに合わせて、幼稚園から公立で無料なんですけど、託児所みたいな側面が強いんですね。だからどの学校にも必ず学童で朝7時半から夜19時くらいまでは必ず預かれるという状態で、その料金も収入によって変わるというものなので、子どもの負担があるかなっていう気は私が見てるとしますけど、幼稚園の子が朝7時から夜19時まではキツいのかなって思いますけど。親は産んだらあと社会が育ててくれるからっていうスタンス。結構フルタイム両親でも3人,4人で産む人が多いですね。まとめて産んじゃおう、年子で3人産む人が多いのが特徴です。
坂東:それでもそんなに辛くないんですね。
女性:そうですね。託児所みたいなのがあるので、あと保育ママみたいなシステムがあるので自分が育てるっていう部分はもちろんあるんだけど、仕事を捨てなきゃいけないみたいな選択がないんですよね。
坂東:保育ママってなんですか?
女性:自宅で3,4人預かる資格を持っている人が自宅でみる。公立の保育園は足りなくて、保育ママみたいなのが多いですね。
坂東:そういう組み合わせで成り立っているんですね。なるほど〜。フィジー合宿しましょう、今度。
乾:絶対行きたいですね。
坂東:行ったら永崎さんいなかったりしてね。
乾:時間守らないみたいな。笑
坂東:旅に出ちゃったりしてね。笑。
永崎さん:デンマークも最近行くようになって、それこそ最近日本とフィジーでデュアルでやってたんですけど、日本と比較しててもしょうがないのかなって思って、だから第三国、デンマークを追加して子どもが今2人いて5歳と2歳なんですけど、基本的には幸せな大人の背中をたくさん見せたいと思って、フィジー人もいいんですけど、フィジー人の幸せって子どもがそのまま大人になった感じなんですよね。だから、無邪気みたいなね。そういう幸福感なんです。それって大丈夫かなって思うところもあるので、成熟した大人の背中という意味でデンマークはいいんじゃないかなっていう風に思ってますね。
坂東:成熟の大人の背中かぁ。日本はどんな背中を見せられるんですかね。僕らは。
永崎さん:不幸じゃない大人の背中なのかなって思ってます。実は日本って不幸度は低いんですよね。幸福度は低いって言われることと、不幸じゃないっていうことが僕は日本の特徴だと思って、意外と僕らって株とかでも得したいよりも損したくないの方が強いじゃないですか。それは幸せに当てはめると幸せになりたいよりも不幸になりたくないの方が強いんだろうなって思ってます。そういう意味でいうとそれを達成できてるのは日本人だなって思ってます。そこはもしかしたら見習える部分があるのかもしれないし、あともう1つ面白いというか、幸福度を測る時に日本人が圧倒的に世界で特殊なデータがありまして、それが何かっていうと、5段階で幸せですかって質問をした時に色々5とか4とか言うじゃないですか。もう1つだけ選択肢があって、分からないっていう選択肢があるんですよ。これって世界で言うと大体1%くらいが選ぶんですけど、日本は10%。これは世界最高です。だから幸せかどうか聞かれる時に分からないっていう人がめっちゃ多いっていうのはネガティブに言えば、もちろん言えるんですけど、でも、ポジティブにも考えられる。そのへんの曖昧さを許容できる国民性なのかもしれないという風に思うと、面白い結果だなっていう風に思ったりしてます。そのへんの日本人の世界の中で特殊な部分っていうのがポジティブに反応すればすごく希望の国になるんじゃないかななんていうのは思ったりします。
坂東:めっちゃ面白いです。ありがとうございます。永崎さん、ありがとうございました!