「幸せのカタチは人それぞれ?」
「思いやりを目的にすることによって見えてきたもの」
10年間赤字だったホテルをわずか2年足らずで1億3,000万円の経営利益を生む高収益企業へと再生した樋口さん。
そのど真ん中に据えたものが、思いやりを目的にした【愛の経営】でした。
樋口さんはホテル経営に携わることになる前に、とある某有名テーマパークで受けた素晴らしいサービスに、何故か原因不明の心の痛みを覚えます。
誰もが認める最高のサービスを受けたのにも関わらず、なぜかそこで違和感を覚えた樋口さん。
「この痛みの原因は何だろう?」
沖縄に戻る飛行機の中で、その痛みの原因についてずっと考えていたそうです。
そしてある一つの結論にたどり着きます。
「そうか、あの素晴らしいサービスは、自分のために行なわれたものではなく、売上を上げるために行なわれたサービスだったのか」
世の中にある、ありとあらゆる顧客に向けたサービスというのは、売上や利益のために行なわれる手段であって、目的ではない。それが悪いというわけではなく、むしろ仕事とはそういうものだというのが常識となっています。
一方で、実際にそのサービスを受けた樋口さんが感じた痛みも、また一つの真実。
そこでこう考えたそうです。
「よし、今度のホテルでは、思いやりを目的にした経営をしよう」
そこから、これまでの常識とは全く逆の経営スタイルに舵を切ります。
250名の従業員と面談をし、まずは一人ひとりの興味関心に耳を傾けます。何を大切にして働いているのか。何を実現したくてここにいるのか。
そうやって丁寧にコミュニケーションを重ねていくと、働く人たちの意識が明らかに変わっていくのを感じたそうです。
人は自分を理解してくれる人のことを理解しようとする。それは従業員であっても顧客であっても同じこと。
思いやりを中心とした経営は、従業員を通じて顧客や関係者に伝わり、結果的に2年で奇跡のV字回復をすることになったのです。
「多くの幸せは、消費的な幸せ?」
思いやりを目的にした経営をしていく中で、樋口さんがたどり着いた一つの仮説があります。
「幸せのカタチは人それぞれというけれど、もしかすると不幸のカタチがそれぞれであって、幸せのカタチは一つなのではないか?」
多くの人が感じる幸せは、もしかすると消費的な幸せなのかもしれないと樋口さんは言います。
▼仕事終わりにおいしいビールを飲んで幸せ
▼週末に好きな映画を見て幸せ
▼お風呂に入りながら音楽を聞くのが幸せ
もちろんこれらは幸せを感じる瞬間ではあるし、それはそれで必要なことではあるけれど、もしかするとこれらはストレス解消によって感じる幸せなのかもしれません。
もちろんそれらが悪いということではなく、ただ本当に人間が感じる幸せとは、また別の幸せのカタチではないかと樋口さんは言います。
とするならば、人間の本当の幸せとは何なのか?
今回のトークライブでは、その辺りのお話をお聞きしました。
ゲスト 樋口耕太郎さん(沖縄大学准教授)
◆プロフィール
1965年生まれ、岩手県盛岡市出身。
’89年、筑波大学比較文化学類卒業、野村證券入社。
’93年、米国野村證券。’97年、ニューヨーク大学経営学修士課程修了。
2001年、不動産トレーディング会社レーサムリサーチへ移籍し金融事業を統括。
’04年、沖縄のサンマリーナホテルを取得し、愛を経営理念とする独特の手法で再生。
’06年、事業再生を専業とするトリニティ設立、代表取締役社長(現任)。
’12年、沖縄大学人文学部国際コミュニケーション学科准教授(現任)。
内閣府・沖縄県主催「金融人財育成講座」講師。沖縄経済同友会常任幹事。
沖縄から貧困がなくならない本当の理由』が初の著書。
手放すトークライブ概要
日 時: 8月17日(水)20:00ー21:30
※21:30以降オンラインコミュニティメンバーはzoomで懇親会を実施します!
参加方法:YouTubeLiveによる視聴
※youtubeのURLに時間になったら、入室ください!
参 加 費:無 料
スピーカー 武井浩三 社会活動家 / 社会システムデザイナー
ダイヤモンドメディア株式会社創業者、(一社)自然経営研究会 発起人/代表理事、(一社)不動産テック協会 発起人/代表理事、ホワイト企業大賞 企画委員会 委員 手放す経営ラボラトリーCPO
2007年にダイヤモンドメディアを創業。
経営の透明性を徹底的にシステム化した独自の企業文化は、「管理しない」マネジメント手法を用いた次世代型企業として注目を集めた。現在は、創業した会社を自ら手放し、ティール組織・ホラクラシー経営等、自律分散型経営の日本における第一人者としてメディアへの寄稿・講演・組織支援など多岐に渡る活動を行う。2019年10月手放す経営ラボラトリーにCPOとしてジョイン。
著書
『社長も投票で決める会社をやってみた。』(WAVE出版)
『管理なしで組織を育てる』(大和書房)
『自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織」』(内外出版社)
モデレーター 坂東孝浩(手放す経営ラボ所長)
大学卒業後から、一貫して大企業~ベンチャー企業まであらゆる組織の課題解決に携わってきた。その数800社以上。しかし、時代や環境の変化が激しさを増してくるとともに、研修や採用ブランド力向上などの手法では根本的な課題解決ができないと感じ始めた。そこで、手放す経営ラボラトリーを設立。最先端の組織や経営スタイルを研究、自社でも“手放す経営“を実践している。
現在は新しいカタチの組織デザインと、組織改革の実行支援を通じて全国のクライアント企業のサポートを行なっている。