手放す経営アカデミア実践勉強会にゲスト実践者として参加してくれたタニカワクリーニングの谷川祐一社長と麻美専務。 ホワイト企業大賞を受賞された同社に対して、理事の武井浩三さんが「谷川クリーニングさんは、とても人間らしい組織だ」というコメントをしました。 社員を人間として扱うのか?機械の一部のように扱うのか?両者はどう違うのか? 具体例を挙げながら語られたトークセッションを坂東がふりかえります。
■経営のアップデートを実践したい経営者のための学び場「手放す経営アカデミア」
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坂東:「手放す経営ラボラトリーで、手放す経営アカデミアという経営者のためのコミュニティ・学び場を立ち上げたんですが、毎月1回、実践勉強会というイベントをやっています。昨日やったんですよ。」
小野:「初めてゲストが出演されたんですよね?」
坂東:「谷川クリーニングの谷川社長と奥さんで専務のあさみさん、ご夫妻で出ていただいて。2人のトークがめちゃくちゃ面白かった。谷川クリーニングさんっていうのは茨城にあるクリーニン小野グ屋さんで、18店舗の直営店でやっているんだけど、今年に入ってホワイト企業大賞を受賞されて、今引っ張りだこらしいです。」
小野:「何からですか?」
坂東:「色んなところから話してくれと。イベントとか、セミナーに呼ばれているらしいです。で、話してもらって、武井さんがホワイト企業大賞の理事でもあるし、第3回のホワイト企業大賞、今回は7回目だったんだけど、当時、受賞もされていて、武井さんの解説付きでやったんですよね。で、武井さんが何がいいって谷クリさんは、人間らしい組織なんですよねっていう風に言ってて。人間らしいって良さそうなんだけどどういうことなんだろうって思ったんですよ。イメージが湧きにくくない?」
小野:「湧きにくいけど、谷クリさんは忖度とかしないで自分らしく生きてるみたいなイメージ。自分らしく生きてるっていうのは自分に正直に自分のやりたいことをやる。親との確執とかあったじゃないですか。そういうのとかもあるけど、それも乗り越えて自分を生きる、今を生きる、みたいな。」
坂東:「確かに。そういう風に谷川社長とかはされてるよね。じゃぁ、従業員に対してどうかっていうと、そこでもそうありたいときっと思っていて、クリーニング屋さんなんで工場を持ってるんだよね。18店舗で受け持ったクリーニングする商品を工場に運んで工場で全部洗ったりしてる。」
小野:「1つの工場に集めるんですか?」
坂東:「そうそう。全部くる。それぞれのクリーニング屋さんでやってるわけじゃない。工場で一括でやってる。工場で働いている人がたくさんいるんですよ。で、そこでどんな感じかっていうことなんだけど、一般的なクリーニング工場だと、いかに効率よく早くやるかということが大事だということで、セオリーとしてはトヨタってあるじゃない。トヨタでカンバン方式という言い方があるんだけど、トヨタの工場のようにビシッと効率よくやるってことをクリーニング工場でもやりましょうというのが業界のセオリーでもある。例えば、作業する時、ワイシャツとプレスとかするじゃん。その時、立ち位置が決まってて、足形が下についてる。」
「えー!それは人それぞれいいポジションで違いそうな気がします。」
坂東:「そうだよね。だけど、足型がついていてできる限り動かない方が効率がいい。っていう風にやってる方が当たり前。」
小野:「へー!」
坂東:「驚くよね。」
小野:「驚きます。工場見学行ってみたいですね。どういう風に洋服がきれいになっていくか気になるかも。だって、すごくないですか?そんなに量がお客様のもとに戻るってすごいなって。店頭ではホッチキスで止めてるだけなのに。」
坂東:「すごい仕組みだよね。だから効率よく混ざらないように間違えないようにってやってるんだけど、人もそう言う風にやってる。だから足型がついてやってるのは、人として扱ってない気がする。まぁ、そういう風にした方が効率がいいし、値段が安くワイシャツが160円とかでやってたりっていうのは効率よくしないとやってられないじゃない。」
「だけど、谷クリさんでは多能工っていって、1人の人が色んなポジションができたり、マルチタスクがやれるようになっていく。あとは、こっちの人が忙しかったら、助けに行けるようになっていく。そこらへんはある程度の持ち場は決まってくるんだけど、その日に応じて柔軟にポジションを変えたり、それをサッカーチームのような組織スタイルって言い方をしてるんだけど、状況によっても変わるじゃん。」
「相手チームっていうのはこの場合は商品だよね。商品がワイシャツがめちゃめちゃ来た、みたいな日と、セーターだけがめちゃめちゃ多い日と、全体的に商品が午前中は全然ないけど、午後ものすごくくるよねっていうと、フォーメーション変わってくるじゃん。なのにこの足型が一歩も動かないでねってなると柔軟に対応できないじゃん。ので、そういう風な体制にしてるんですっていうことを言っていて、確かに足型っていうことでいうと、それは人間らしい組織じゃないなって思ったんだよね。」
小野:「だし、例え忙しくても私はこれしかできないからどうしようもないってなるし、それでちょっと遅れてる人がいたら早くしてよみたいになりかねないですよね。」
坂東:「そういう風になるんだって。」
坂東:「普通ならいこうって思うけど、あそこできないしってなるし。」
小野:「人間性も排除した方がいい。ただ決まった方をやればいいってなりやすくなるじゃない。業界的にはそういう風になってる。ちなみに、やっぱワイシャツが一番多いんですかね?そのへんが気になる。何が一番出されるんだろうって。ワイシャツは今コロナで出勤しなくていいとかだと減りますよね。」
坂東:「そんな質問出てたよ。自分もワイシャツ着ること少なくなったし、大変じゃないですかって。クリーニング屋さんってワイシャツが戦略商品。それを安くして他のものを取り込もうっていうやつ。」
小野:「確かに200円以下のところに出そうと思う。」
坂東:「思うけどどうなの?」
小野:「出してますよ。出してたんですけど、私がお金を浮かそうと思って私がやるよって言ったら、大丈夫って言われた。雑だから多分。大丈夫です、自分で出すんでって言われて自分で出してますよ。取りに行くのは手伝うくらい。たまに。でも、勿体なくない?1枚160円って言ったらいやいや、大丈夫ですって。笑。」
坂東:「俺も思うんだよね。勿体ないし、出して取りに行くのが面倒くさいから、僕は自分でやるんですよ。」
小野:「えー!すごーい!」
坂東:「父親もそれをやってたから当たり前みたいになるんだけど、やるのが結構好きだし、僕も奥さんには任せたくなくて、奥さんは好きじゃないし、得意じゃない。僕がやった方がうまいもん。そういうのもあるけど。余談ですけどね、これはね。」
小野:「ピシッとなったのを着ると気持ちが変わるんですよね。きっと。」
坂東:「自分のしたいスタイルがあるんだよね。こういう風にしたいっていうのがあるから。まぁ、それはいいんですけど、人間らしい組織でもう1つ言っていたのが谷クリさんは私服とかも全部任せてたり、現場のことは全部現場の人が決めるってして、工場長もいないから、決める人がいない。」
小野:「本当にフラットな感じなんですか?」
坂東:「そういう風になってるんだって。現場のことは社長も今は分からないから全部任せている。そういうことになるとダレそうじゃない?ダラっとしてくるっていうか。」
小野:「でも、来た商品をこの日まで仕上げないといけないっていう期限がありますよね?ダレたくても商品きたら出来なくないですか?」
坂東:「そうそう。忙しい時はいいんだって。気合入るから。だけど、閑散期で暇になってくるとダレてくる。で、その時にどうしてるかって聞いたら、どうもしないって言うんだよ。サボってたりしたら気にならないんですか?って言ったら、そういうもんじゃないですかって言って。」
小野:「それも人間らしいですね。」
坂東:「そうなんだよねー!そこなのよ。私だってダレますもん。だから、仕方ないっすよね、みたいな。そうなっても別にもっとちゃんとやれとか言わないし、そしたら自分たちで言い出すんだってそのうち。ちょうど昨日、一昨日も年配のベテランのパートの人と若手社員とかが話してて、最近ちょっとヤバくないですかってことを話していた。そういうことが起きてくる。で、それはやっぱり自分たちの仕事だし、お客さんがあることだし、みんな考えてやると思うんですよ。浮き沈みあるっていうのは当然だと思ってるんですよねって言ってる。」
小野:「信じてますね、なんか。」
坂東:「そう。信じてんのよ。で、それが私たちは信じてますからっていうことを表面的に言ってるんじゃなくて本当に深いところで本当に思ってる。」
小野:「行動っていうか、それで示してますよね。」
坂東:「そうなんだよね。いくらこちらから言っても教えても学ぶかどうかは別問題で、自分の体験や経験からしか学べないと思ってるし、自分もそうだから、逆に言うと何か失敗とかトラブルがあった時にこそ人って学べるし、私たちもそうだけど、従業員のみなさんもそうだって信じてる。実際にそうなってる。だからトラブルとかがあっても、自分たちでそこから何かを学んで対処するっていうような文化にになってるんですよねっていうことを言ってる。それを根本的に人間とか、もっと言ったら社会を信じてるというようなことを言っていて、素敵だなぁと思ったね。」
小野:「奥さんも同意って感じですか?」
坂東:「奥さんの方がより視野が広い。」
坂東:「じゃぁ、奥さんから谷川さんも学んでるっていうこともあるんですかね?」
坂東:「谷川社長は、けっこうネガティブな考え方したりするタイプらしいんだけど、奥さんがものすごいポジティブで、例えば、今社長は二代目なんだけど、地元に帰ってきた時にものすごい会社の中がひどい状態だったから給料が全然取れなくて、月給10万だった。奥さんとも結婚したばっかりで。月給10万円って大変じゃん。生活できない、どうしようって旦那さんは言ってる。でも、奥さんはメルカリでこれ売れたよ!やったー!って言ってて、何とかなるでしょという性格でものすごく救われたって言ってた。全然性格が2人とも違うから、それがいいんだって言ってたけど、根本的なあり方っていうのがすごく素敵だなって思って、そういうことを実践勉強会で話してすごく盛り上がったんですよ。なので、アカデミア実践勉強会はぜひ来て欲しいなっていう話でした。」